AI社員の作り方|中小企業が「仕事を任せられるAI」を育てる5ステップ

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要点

  • AI社員の作り方は、新しいAIを買うことより、今使っているAI(Claude Code・Codexなど)に「文脈・権限・記録」を用意することから始まります
  • 最初は、手順が決まっていて毎週くり返す仕事を1つだけ選びます
  • 仕事の目的と現状は、毎回チャットに貼らずに、AIが自分で読みに行ける置き場所に書いておきます
  • 外に送る前・完了にする前は人が確かめるルールにし、うまく回ったら任せる範囲を少しずつ広げます

AI社員とは、仕事の目的と現状を読み、決められた範囲で作業し、やったことを記録するところまで任せられるAIの使い方です。 質問に答えるだけのチャットAIとの違いは、「文脈」「権限」「記録」が用意されているかどうかにあります。この記事では、1つの仕事を任せられるAI社員を1人分つくるまでの手順を、中小企業の経営者向けに説明します。1人分ができたあと、会社全体に広げる進め方はAI組織の作り方で説明しています。

AI社員とは:チャットAIとの違いは「文脈・権限・記録」

ChatGPTやClaudeに質問して答えをもらう使い方は、多くの会社ですでに始まっています。けれど、そこから「この仕事はAIに任せておく」の段階に進めている会社は多くありません。

止まる理由は、AIの賢さよりも、AIが持っているものの差です。チャットで質問するとき、AIが読めるのはその場で打った文章だけです。会社が何を目指しているか、この仕事がいまどこまで進んでいるか、前回なにを決めたかは、AIには見えていません。

比べるところ質問に答えるチャットAI仕事を任せられるAI社員
文脈(仕事の目的と現状)その場で打った文章だけを読む。毎回説明し直す置き場所に書かれた目的・現状・過去の決定を、AIが自分で読みに行く
権限(できることの範囲)答えを返すだけ。作業は人がやる決められた範囲で、読む・書く・作るまでやる。外に出す前は人が確かめる
記録(やったことの残り方)会話の中に流れて、次の人やAIには残らない決めたこと・作ったもの・分かったことが、仕事の置き場所に残る
次に頼むときまた最初から説明する前回の続きから始められる

AI社員という言葉は、この3つがそろって「仕事の一部を、続けて任せられる状態」を指す呼び名だと考えてください。中身は、人が決めたことをAIが前に進め、人が結果を確かめる分担です。採否や方針のような判断と、その責任は人に残ります。

AIエージェントでAI社員を作る5ステップ

図:AI社員を作る5ステップ。任せる仕事を1つ選ぶ、目的と現状をゴールに置く(文脈)、読むだけ・書ける・外に出す前に確認の権限を決める(権限)、やったことをゴールに戻させる(記録)、毎週見直して任せる範囲を広げる。

1. 任せる仕事を1つ選ぶ

最初に選ぶのは、手順が決まっていて、毎週くり返す仕事を1つです。たとえば、会議のあとに決まったことと宿題を書き出す、届いた問い合わせや応募を条件ごとに整理する、先月と数字が大きく違う項目を挙げる、毎週の進み具合をまとめて共有の文面を下書きする、といった仕事が向いています。

迷ったときは、次の表で見分けます。

見るところ任せやすい仕事最初は避けたい仕事
手順新しく入った人に口で説明できる担当者の勘や経験で決まっている
間違えたとき人が直せば済む取り返しがつかない(支払い、契約、取引先への約束など)
確かめ方結果を人が見て、合っているか分かる合っているかを判断できる人がいない
例宿題の書き出し、問い合わせの仕分け、週次のまとめ値段の交渉、採否や評価の決定、会社の方針決め

大きさにも気をつけます。「事業の売上を伸ばして」のように大きすぎるとそれらしい一般論が返ってきて、「この一文の語尾を直して」のように小さすぎると人が指示を出し続けることになります。目安は、AIが一度でやりきれる、いちばん大きい単位です。

2. 仕事の目的と現状を置く(ゴール)

次に、その仕事の「目的」と「いまの状態」を書いておく場所を作ります。AI社員づくりでいちばん手間をかけたいのがここです。

書いておくのは、何のための仕事か(上の目標とのつながり)、どこまでやれば終わりか(完了の基準。誰が・いつまでに・何をできる状態か)、いまどうなっているか(関係する資料のありか、前回までに決まったこと)です。

完了の基準は、たとえば「毎週月曜の会議のあと、その日のうちに、宿題が担当者ごとのToDoとして入っている」のように、終わったかどうかが分かる形で書きます。こう書いておくと、AIは自分の出した結果がそれに届いているかを、自分で確かめながら進められます。

資料は、要約して貼り直すよりも、元の資料のありかを書いて「そこを読んで」と伝えるほうが確実です。要約で抜け落ちた情報は、AIには補えません。反対に、関係のない資料まで並べると、AIはどれを読めばよいか決められなくなります。「自分がこの仕事をするなら何を開くか」で選んでください。

Addnessでは、この置き場所がゴールです。ゴールごとに「理想」(どこまでやれば終わりか)と「メモ」(目的・現状・経緯)を書けて、ここに書いた内容がそのままAIのコンテキスト(AIが判断に使う背景情報)になります。ゴールの書き方はゴール・タスク・KPIの機能紹介にまとめています。

3. 権限を決める(読むだけ/書ける/外に出す前に確認)

AIに何をさせてよいかを、3段階で決めておきます。

段階AIがしてよいこと例
読むだけ資料・記録を読んで、まとめや案を返す応募書類を読んで、確認したい点を挙げる
書ける社内の記録を作る・直す宿題をToDoとして登録する、記録に要点を書く
外に出す前に確認下書きまで作り、送信・公開は人が確かめてから応募者への連絡文を作り、宛先と文面を見せてから送る

最初は「読むだけ」と「書ける」から始め、社外への送信、公開、完了にする判断は人が確かめるルールにしておくと安心です。あわせて、「分からない所は推測で埋めずに、分からないと書いて」と頼んでおきます。AIはもっともらしい間違い(ハルシネーション)を書くことがあるので、空欄のまま返ってくるほうが、人が確かめるときに見つけやすくなります。どの仕事をどの段階まで任せるかの線引きと、社内ルールのひな形はAIエージェントにどこまで任せるかの決め方にまとめています。

Addnessの場合、MCP(AIを外部のサービスにつなぐための共通の仕組み)でつないだAIが行う操作は、操作した本人の権限の範囲に限られます。本人が見られないデータを、AIが見ることはありません。つなぎ方と、AIが読み書きできる範囲はAIエージェント接続(MCP)の機能紹介で確認できます。

4. やったことを記録させる

任せた仕事の結果が、チャットの中にだけ残っていると、次に頼むときにまた説明し直すことになります。頼むときに結果の返し先まで決めておくと、この手間がなくなります。

依頼文の最後に、次の一言を足すだけで十分です。

終わったら、やったことと分かったこと、次にやることを、このゴールに戻して。

Addnessでは、AIがそのゴールで作業すると、決めたこと・作ったもの・分かったことがAIメモリに自動で残ります。作った資料は成果物としてゴールに紐づけられるので、次に開いた人もAIも、続きから始められます。

5. 毎週見直して、任せる範囲を広げる

週に1回、AIがやった仕事を見直します。完了の基準に届いていたかを見て、ずれていたら原因を探します。原因はたいてい、目的があいまいだった、必要な資料が見えていなかった、返し先が決まっていなかった、のどれかです。そのうえで、次の週にもう一段大きく任せられそうかを考えます。

うまく回ったら、「一手だけ」から「子ゴールごと」、そして「もっと大きく」と任せる範囲を広げます。崩れたら一段戻します。ゴールを決める、どれを先にやるかを選ぶ、といった「何をやるか」の判断は、人が考えながらAIと一緒に決めるほうが確実です。

決まった曜日にくり返す仕事は、Addnessのルーティンにしておくと、決めた日にゴールが今やるべきToDoに自動で並びます。設定のしかたはテンプレート・ルーティンの機能紹介にあります。

AIエージェント(Claude Code・Codex)の使い方:AI社員への頼み方

AI社員の「手」には、パソコンの上で実際に作業できるAI、つまりAIエージェントを使います。代表的なのがClaude CodeとCodexで、Addnessではどちらを使っても同じところまで進みます。迷ったらClaude Codeで大丈夫です。すでにChatGPTの有料プランを使っているなど事情があれば、Codexを選んでください。始めるのに要るのは、Claude Codeなら Claude Pro、Codexなら ChatGPT Plus の契約で、最初はどちらか1つで足ります。

つなぐ

使っているAIに、次の一文を送ります。APIキーは要りません。ブラウザでAddnessにログインして許可する所だけ、自分で行います。

Addness MCP(https://vt.api.addness.com/mcp)を設定してください

AIごとの手順はAddness MCPのつなぎ方とヘルプセンターにあります。

会社の決まりごとは指示メモに、仕事ごとの中身はゴールに

Claude Codeは作業フォルダのCLAUDE.md、CodexはAGENTS.mdという指示メモを、仕事を始めるときに最初に読みます。AI社員の作り方の解説では、ここに役割や手順を細かく書き込む方法がよく紹介されています。

ただ、指示メモを分厚くすると、AIは毎回それを全部読んでから動くことになります。指示メモに書くのは、どこに何があるかの地図と、「顧客へのメールは送る前に見せる」のような全部の仕事に共通する約束ごとだけにします。仕事ごとの目的・現状・完了の基準はゴールに置き、指示メモには「決まったことと仕事の現在地はAddnessにある」と1行書いておけば、AIはそこへ読みに行きます。書き方の例は、講座のAIが働ける環境を作るにあります。

図:CLAUDE.mdやAGENTS.mdの指示メモには、どこに何があるかの地図と全部の仕事に共通する約束ごとだけを書き、仕事ごとの目的・現状・完了の基準はゴールに置く。AIは指示メモからゴールへ読みに行く。

仕事を頼む

つないだあとは、ゴールの名前を出して頼むだけです。目的・現状・完了の基準はゴールに書いてあるので、依頼文で説明し直す必要はありません。

Addnessの「(ゴールの名前)」を読んで、完了の基準に向けて進めて。
社外に送るもの・公開するもの・完了にする判断は、先に見せて確認して。
終わったら、やったことと次にやることを、このゴールに戻して。

Addnessの画面から渡すこともできます。ゴール行の「…」を開くと、いちばん上に「AIに依頼する」があります。押すと、そのゴールのURLと進め方が入った指示文ができて、「Claude Codeで開く」「Codexで開く」でAIがその場で動き始めます。「指示文をコピー」を使えば、ほかのAIにも貼り付けられます。

毎週の仕事をまとめて進める

ルーティンで今やるべきToDoに並んだ仕事は、「今やるべきToDo」見出しの「…」→「AIで今やるべきToDoを始める」で、上から順に進めてもらえます。言葉で頼むなら次のとおりです。

今やるべきToDoを見て、AIに任せられるものを上から順に進めて。
判断が必要なところだけ聞いて。

Claude Codeで進めた仕事の続きをCodexで進める、といった使い方もできます。どのAIから使っても、同じゴールにつながっているからです。

AIに仕事を任せた社内の事例

Addness(アドネス)を運営するアドネス株式会社でも、社内の仕事をこの形でAIに任せています。公開している「Addness使いこなし事例」のうち、会議と採用の2本がこの5ステップにそのまま当てはまります。

会議からのToDo出し(事例 vol.11)

会議で決まった「誰が・何を・いつまで」の書き出しをAIに任せた例です。会議に議事録Botを入れて文字起こしを会議のゴールに置き、会議のあとにClaude Codeへ一言頼みます。

Addnessにある「(会議の名前)」の文字起こしを読んで、決まったことと、宿題(誰が・何を・いつまで)を拾って。宿題はAddnessのToDoに1件ずつ追加して。名前はメンバーの一覧と照らして、聞き取れない所は入れないで

約40分の朝の会議から、宿題10件と、その場で時間が決まった打ち合わせ2件が、それぞれの担当者のToDoになりました。誰の宿題か特定できなかったものは、決まりどおりToDoに入れていません。5ステップで言えば、「名前は一覧と照らす」「分からない所は入れない」が権限の決め方、担当者ごとのToDoが記録にあたります。

詳しくは「会議からのToDo出しをAIで自動化!【Addness使いこなし事例 vol.11】」をご覧ください。

採用業務の連絡と面談の予約(事例 vol.13)

スタッフ募集で、応募の整理、応募者への連絡、面談の予約、記録をAIに任せた例です。募集のゴールにフォームと顧客リストを紐づけ、選考の考え方や連絡の文面をゴールに残して、AIが毎回それを読んで作業を続けられるようにしました。

連絡をAIに任せるときは、次のように「送る前に見せて」を依頼文に入れています。

(最終決定した方)に、お礼と面談の予約リンクを送る文面を作って。ほかの方には、順番に案内することを伝える文面を作って。送る前に宛先と文面を見せて。送ったら顧客リストに記録して、段階を進めて

79件の応募に3日間で対応し、11件の面談が決まりました。候補の最終決定、送る前の宛先と文面の確認、面談、採否の判断は人が行っています。「外に出す前に確認」の段階を、そのまま運用に落とした例です。

詳しくは「【採用業務の効率化】スタッフ募集の連絡と面談の予約をAIに任せる!【Addness使いこなし事例 vol.13】」をご覧ください。お客様の使い方は導入事例にまとめています。

AI社員の導入でよくある失敗

よくある失敗起きること直し方
「いい感じにやって」で頼むどこにでもある一般論が返ってくる言い回しを工夫するより先に、ゴールに「どこまでやれば終わりか」を書く
資料を要約して渡す要約で抜けた情報を、AIは補えない元の資料のありかを教えて、読みに行かせる
関係ない資料まで全部渡す読むべきものが分からなくなり、かえってずれる自分ならこの仕事で何を開くか、で絞る
結果の返し先を決めていない作ったものがチャットに流れ、次はまた説明から依頼文に「このゴールに戻して」を入れる
AIの「終わりました」をそのまま信じる抜けや思い込みに気づかず、社外に出てしまう完了の基準と見比べ、外に出す前は人が見る
最初から大きな仕事を丸ごと任せる見立てがずれたまま進み、引き戻すのに時間がかかる1つの仕事から始めて、回ったら広げる

一度うまくいかなかっただけでやめてしまうのも、よくある失敗です。多くの場合、原因は目的・資料・返し先のどれかが欠けていたことなので、欠けていたものを足してもう一度頼んでください。

AI社員づくりにかかる費用

かかる費用は、AIの側の契約と、仕事の置き場所の料金の2つです。AIの契約が要るのは、AIに仕事を頼む人だけです。ToDoを進める、ゴールを見る、コメントするだけのメンバーは、Addnessの利用料だけで使えます。会社で使うなら、入力がAIの学習に使われず、退職時に会社が利用を止められる法人向けのプラン(Claude Team・ChatGPT Business)がおすすめです。

Addnessは料金が使う人の数だけで決まり、MCPでつないだAIエージェントは何体いても人数に数えません。MCPによる接続はどのプランでも使えます。

プラン月払い(1人あたり)年払い(1人あたり)AI社員づくりで関係する主な違い
Starter$4.99月払いのみゴールツリー(目標・タスク)、テンプレート・ゴールの公開共有、AIエージェント接続(MCP)、ルーティン 3本。アプリ内のAIはなし
Pro$19$190Starterの全機能に加え、アプリ内のAI、Meet・Zoom議事録Bot 3回/月、画面録画 3本/月
Focus$39$390Proの全機能に加え、ルーティン無制限、AddnessCRM、KPIツリー、外部連携(Slack・Googleカレンダー)、議事録Bot 300回/月
Unlimited$69$690Focusの全機能に加え、AI利用量 最大、Meet・Zoom議事録Bot 無制限

(2026年10月時点)国や地域によって、決済時に税が加算されます。Pro 以上の月払いは7日間無料で試せます(クレジットカードの登録が必要です。対象になる条件は料金プランをご覧ください)。Freeプランはありません。

よくある質問

AI社員とは何ですか?

仕事の目的と現状を読み、決められた範囲で作業し、結果を記録するところまで任せられるAIの使い方です。新しいAIを用意しなくても、Claude CodeやCodexなど今使っているAIに、文脈・権限・記録を用意すれば作れます。

ChatGPTやClaudeだけで作れますか?

作れますが、会社の目的や過去の経緯を毎回渡す手間がかかります。仕事の目的・現状・完了の基準をチームで共有できる置き場所に書いておくと、AIがそこを読んでから動くので、説明し直さずに続けられます。

Claude CodeとCodexのどちらを使えばよいですか?

迷ったらClaude Codeで大丈夫です。すでにChatGPTの有料プランを使っているならCodexでも、Addnessでは同じところまで進みます。両方の契約は要りません。

プログラミングができなくても作れますか?

作れます。Addnessにつなぐときは、使っているAIに設定を頼む一文を送り、ブラウザでログインして許可するだけです。仕事を頼むのも、ふだんの日本語で書いた依頼文です。

AIに会社の情報を見せても大丈夫ですか?

AddnessにMCPでつないだAIが行う操作は、操作した本人の権限の範囲に限られ、本人が見られないデータをAIが見ることはありません。人事評価や取引先から預かった機密資料のように、AIに見せないものは先に決めておきます。データの扱いはセキュリティにまとめています。

AIに仕事を任せるデメリットや注意点はありますか?

もっともらしい間違いを書くことがあり、最初は結果を確かめる手間がかかります。社外への送信、公開、完了にする判断は人が確認するルールにして、回った仕事から任せる範囲を広げてください。

AI社員を増やすと、料金は上がりますか?

Addnessの料金は上がりません。AIエージェントは何体いても人数に数えないからです。AIの利用料は、Claude CodeやCodexなど使うAIの側の契約でかかります。

最初の1つをゴールに置く

まずは、任せたい仕事を1つ選び、目的・完了の基準・現状をゴールに書くところから始めてください。ゴールを置き、今日やることを決め、AIと進めて結果を残すまでの最初の4ステップははじめ方にまとめています。

※この記事は2026年10月15日時点の情報です。Addnessは日々アップデートしているので、画面や手順が今と少し違うことがあります。

この記事を書いた人

アドネス株式会社 マーケティング 竹内翼

Addnessのマーケティング責任者。150人規模の会社で人事責任者も務めました。