属人化とは?AIで解消する方法|引き継ぎ資料と動画マニュアルの作り方

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要点

  • 属人化をAIで解消するには、担当者が仕事を「見せる・話す」だけで、手順書と経緯が残る流れを先に作ります
  • 引き継ぎで抜けやすいのは手順より、目的・進行中の案件・決めたことの理由・例外の扱いです
  • 動画マニュアルは画面録画と文字起こしで撮り、文字の手順書はAIに起こさせ、人が確かめて直します
  • 最初は「その人が休むと止まる仕事」を1つ選び、1本録るところから始めます

属人化とは、特定の人しかできない仕事があり、その人がいないと止まってしまう状態のことです。属人化の解消とは、その仕事をほかの人やAIが同じように進められる状態にすることです。AIを使うと、これまで重かった「手順を書き出す」「経緯をまとめる」作業の大部分を任せられるので、忙しい担当者でも続けやすくなります。この記事では、属人化を解消する方法を、引き継ぎと業務マニュアル作りの実務に絞って説明します。後半は、Addness(アドネス)の画面録画・文字起こし・ナレッジを使った具体的な手順と、社内の事例です。

属人化とは:その人がいないと仕事が止まる状態

属人化とは、仕事のやり方や判断の基準が特定の担当者の頭の中にしかなく、その人がいないと進まなくなっている状態のことです。経理の締め、大口顧客の対応、広告の運用、見積もりの作成など、部署を問わず起きます。

属人化が起きる原因

原因は、たいてい担当者の怠慢ではなく、忙しさと仕組みの側にあります。

  • 手順を書き出す時間が取れず、「自分でやったほうが早い」が続いている
  • 判断の基準(どの条件ならどう対応するか)が経験と勘に頼っていて、言葉になっていない
  • 経緯がチャットや口頭に散らばっていて、あとから読み返せる形で残っていない
  • 「この仕事は〇〇さん」と担当が固定され、ほかの人が触る機会がない

放置したときのデメリット

担当者が休む・異動する・辞めるときに仕事が止まります。引き継ぎの期間が短いと、手順は伝わっても「なぜそうしているか」が抜け、後任が同じ失敗をくり返すこともあります。仕事が1人に集まり続けるので、その人の負担が大きくなり、やり方が見えないので改善もしにくくなります。

属人化を解消する方法:AIで何が変わるか

属人化を解消する基本は、昔から変わりません。仕事を洗い出し、手順を書き、共有して、ほかの人もやってみることです。止まりやすいのは「手順を書く」と「書いたものを最新に保つ」の2つで、AIが助けになるのもこの2つです。

やることこれまでAIを使うと
手順を書き出す担当者が時間を取って文章にする担当者は画面を録って話すだけ。文字起こしからAIが手順書の下書きを作る
経緯を残す引き継ぎのときに思い出して書く仕事を進めたときにAIが決めたことを記録し、あとから読める
後任が調べるマニュアルを探す、前任者に聞く手順と経緯を読んだAIに聞く、そのまま作業を頼む
手順を直す気づいた人が直すまで古いまま「このやり方を直して」と頼めばAIが直し、履歴も残る

注意したいのは、AIが下書きを作っても、正しいかどうかを確かめるのは人だということです。判断の基準や例外の扱いは、担当者本人が読んで直す工程を必ず残してください。

引き継ぎ資料の作り方:入れる中身

引き継ぎ資料というと手順書を思い浮かべがちですが、後任が困るのは手順の外側です。次の表を、引き継ぎのチェックリストとして使えます。

中身書くこと抜けたときに起きること
目的と終わりの条件何のための仕事か、どうなれば完了か手順どおりにやっても、ずれた成果になる
今の状態と進行中の案件どこまで終わっているか、相手を待っているものは何か途中の案件が宙に浮く
経緯決めたことと、その理由。試してやめたこと前任者が見送った案を、後任がまた試す
手順くり返す作業の進め方1回ごとに前任者に聞くことになる
例外とトラブルよくある例外と、そのときの対応・連絡先いざというときに止まる
資料と関係者資料のありか、社内外の相手と連絡のしかた資料を探すだけで時間がかかる

このうち手順は、画面録画で撮ると早く残せます。目的・今の状態・経緯は、その仕事の置き場(案件やプロジェクトのページなど)に書いておき、引き継ぎのときは「ここを読めば分かる」と渡せる状態にしておくのが理想です。

業務マニュアル・動画マニュアルをAIで作る手順

業務マニュアルの作り方は、AIを使うと次の流れになります。動画マニュアルと文字の手順書を両方作れます。

  1. 対象の作業を1つに絞る。 「月末の請求書発行」「新規問い合わせの振り分け」のように、1回の作業で終わる単位にします。大きな仕事は作業ごとに分けます。
  2. 画面を録りながら、声で説明する。 いつもどおり作業しながら、「ここはこういう理由でこうしている」「この場合だけ別の対応」と話します。判断の理由を声に出すのがいちばん大事なところです。
  3. 文字起こしを付ける。 声の説明が文字になると、AIが読めるようになります。
  4. AIに手順書の下書きを作らせる。 文字起こしを読ませて、手順・判断の基準・例外を分けて書くよう頼みます。
  5. 担当者が読んで直す。 間違いや抜けを直します。ここで「これは言っていなかった」という例外が見つかることが多いです。
  6. 後任が実際にやってみる。 手順書を見ながら1回やってもらい、迷ったところを追記します。
  7. 変わったら直す。 ツールや社内ルールが変わったら、その場で直します。直した履歴が残る場所に置いておきます。

図:AIで業務マニュアルを作る流れ。担当者が作業を1つに絞り、画面を録りながら理由を声で話す。AIが文字起こしから手順書の下書きを作り、担当者が読んで直し、後任がやってみて、変わったらその場で直す。

動画マニュアルと文字の手順書の使い分け

向いている場面動画マニュアル文字の手順書
画面の操作が多い作業向いている。どこを押すかが一目で分かる画面の説明が長くなりやすい
判断や条件分岐が多い作業見返すときに探しにくい向いている。条件ごとに整理できる
後任が作業中に見返す該当の場面を探す手間がある必要な行だけ読める
AIに作業を任せる文字起こしがあれば読めるそのまま読める

両方を用意するのがいちばん楽です。撮った動画はそのまま見せる用に残し、文字起こしから作った手順書を、人とAIが読む正本にします。

Addnessで属人化を解消するやり方

Addnessは、チームとAIが同じ脳を共有する「カンパニーブレイン」です。ゴール・やること・仕事の経緯・成果物を一か所に置き、Claude Code・Codex・CursorなどMCP対応のAIエージェントがその文脈を読んで、相談から実行まで仕事を進めます。属人化の解消では、上の流れを次のように回します。カンパニーブレインという考え方そのものはカンパニーブレインとはで詳しく説明しています。

残すものAddnessでの置き場
作業の見せ方(動画マニュアル)画面録画と、その文字起こし
くり返す手順ナレッジ(名前・いつ使う・やり方の3つで1件)
目的・今の状態・経緯ゴールの「理想」と「メモ」、AIメモリ、リソース
何段階もある仕事の進め方テンプレート

画面録画で、いつもの作業を撮る

画面右上(ヘッダー)の9点のアイコン「録画・録音・ミーティング」から「録画」を選ぶと、設定画面が開きます。

  1. 「収録対象」で「画面全体」「ウィンドウ」「現在のタブ」「カメラのみ」から選ぶ
  2. マイクを選び、「文字起こし」で方式を選ぶ(文字起こしはFocus・Unlimitedで使えます)
  3. 「紐付けるゴール」で、その作業のゴールを選んでおく
  4. 「録画を開始」を押し、いつもどおり作業しながら理由を声で説明する
  5. 「停止」を押すと自動で保存され、録画の詳細ページに移る

画面録画はPCのブラウザで使え、1本は15分までです。長い作業は、作業の区切りごとに分けて撮ると、あとから探しやすくなります。録画中は画面にペンや四角形で書き込めるので、押す場所を囲んで見せることもできます。

録画は最初は非公開で、録った本人と、紐付けたゴールを見られるメンバーだけが見られます。チーム全員に見せたいときは詳細ページで「組織内公開」をオンにします。後任には「このゴールの説明はこの録画を見て」と渡せます。機能の全体は画面録画・文字起こしの機能紹介にまとめています。

文字起こしから、AIに手順書を書かせる

文字起こしは、MCPでつないだAIからも読めます(自分の録画や、見られるゴールに紐付いた録画が対象です)。つないだAIに、たとえば次のように頼みます。

Addnessの「月末の請求書を発行する」ゴールに紐付いた録画の文字起こしを読んで、
手順・判断の基準・例外の対応に分けて手順書にまとめて。
録画で説明していないところは推測で埋めず、「要確認」として残して。

AIが下書きを作ったら、担当者が読んで直します。「推測で埋めない」と書いておくと、確かめるべき所がはっきりします。AIのつなぎ方はAddness MCPのつなぎ方にあります。

手順はナレッジに、経緯はゴールに残す

手順書ができたら、つないだAIに次のように頼みます。

この手順書を、Addnessのナレッジに残して

AIが名前・いつ使う・やり方をまとめて、ナレッジを1件作ります。次に似た仕事を頼むと、AIがそのナレッジを探して読み、同じやり方で進めます。手順が変わったら「このナレッジを直して」と頼めば、AIが直します。直すたびに「更新の履歴」に誰が(AIを含む)・いつ・どこを変えたかが残り、前の版にも「この版に戻す」で戻せます。

ナレッジは、ゴール詳細の「ナレッジ」の欄で「追加」を押すと、そのゴールに結びつけられます。AIがゴールを読むときは、結びついたナレッジも一緒に読みます。ナレッジの画面の「AI が読んだ」には、どのAIが何回読んだかが出るので、実際に使われている手順かどうかも分かります。

経緯のほうは、ゴールに集まります。ゴール詳細の「理想」に達成したときの状態を、「メモ」に背景や決めたことを書いておくと、MCPでつないだAIはそのゴールで作業するときに、まずそこを読みます。AIがゴールで作業すると、決めたこと・作ったもの・分かったことが「AIメモリ」に自動で記録されるので、人が別に書かなくても経緯が積み上がります。「AIメモリ」は、ゴール詳細の「ウィジェットを追加」から表示できます。

引き継ぎの打ち合わせをするなら、ゴールの行の「…」→「ミーティング」から通話して、「議事録の作成を開始」を押します。議事録はそのゴールのリソースに残ります。

何段階もある仕事は、テンプレートにする

案件の立ち上げのように、いくつもの作業が順に続く仕事は、ナレッジ1件より、ゴールのツリーごと型にするほうが渡しやすくなります。うまく進んだゴールの行の「…」から「テンプレートとして保存」を選ぶと、配下のゴールと、それぞれの理想・メモ・リソースがテンプレートになります。使う人は「ツリーに追加」で自分のゴールの下に複製し、AIに順に進めてもらいます。担当者・期日・完了状態は引き継がれないので、新しい担当者で始め直せます。詳しくはテンプレートの機能紹介をご覧ください。

引き継ぎは「このゴールを読んで」で渡す

ここまで残っていれば、引き継ぎはゴールを渡すだけです。後任は、自分のAIに次のように頼めます。

Addnessの「(引き継いだゴールの名前)」を読んで、今の状態と、
次にやることを教えて。分からないところは前任者への質問の形でまとめて。

画面から渡すこともできます。ゴール詳細のヘッダーの右側にある✦(「AIに依頼する」)から「質問する」を選ぶとゴールの中身についてAIに聞け、「進める」を選ぶとAIが続きを進めます。

図:引き継ぎは「このゴールを読んで」で渡す。理想・メモ、AIメモリ、画面録画、ナレッジ、議事録がそろったゴールを後任のAIが読み、今の状態と次にやることを返す。分からない所は前任者への質問の形でまとめる。

画面録画と文字起こしが使えるプラン

画面録画と文字起こしは、プランによって使える本数が変わります(2026年10月時点)。料金は1人あたりの月払いの金額です。

プラン料金(月払い)画面録画文字起こし
Starter$4.99/人/月なしなし
Pro$19/人/月3本/月なし
Focus$39/人/月300本/月録画分
Unlimited$69/人/月無制限無制限

本数は録画と音声だけの録音を合わせて数えます。ナレッジとゴールはどのプランでも使えます。動画マニュアルを文字の手順書にしてAIに読ませるところまで回すなら、文字起こしの付くFocus以上が合います。年払いや、プランごとのほかの違いは料金プランで確かめてください。

社内の事例:ゴールにたまった文脈で、仕事を別の人に渡した

Addnessを運営するアドネス株式会社でも、仕事の引き継ぎをこの形で進めています。公開している「Addness使いこなし事例」から2本紹介します。

1本目は、複数のサービスに散らばった会員の顧客情報を1つにまとめ、毎日自動で更新する仕事を、別の人のAIに渡した記録です。依頼する側が自分のClaude Codeに頼むと、AIが対象・照合のしかた・出力・例外・完了の条件を整理してAddnessのゴールに残しました。受ける側は自分のCodexに対応を頼み、Codexはそのゴールを読んで作業を進めました。背景を説明し直す打ち合わせはしていません。判断できなかったデータは推測で埋めず、例外として残しています。詳しくは「【1日→30秒】顧客データ統合と自動収集システムを30秒で構築した現場事例を公開【Addness使いこなし事例 vol.1】」をご覧ください。

2本目は、うまい人のやり方を型にした例です。LPを作り慣れたマーケティングの責任者が、自分のAIに、いつものLP制作の手順をほかの人にもできるAddnessのテンプレートにできるかと頼むと、AIがこれまでの指示や直しを読み返して11の手順にまとめました。本人は抜けている所を伝えただけです。そのテンプレートを使って、手順を知らない別の担当者が自分のAIに進めてもらったところ、着手から1時間ほどでLPを公開できました。担当者がしたのは、AIに聞かれたことに答えることだけです。詳しくは「マーケ責任者のLPの作り方をテンプレートにしたら、誰でも1時間で使えるLPが作れるようになった【Addness使いこなし事例 vol.9】」をご覧ください。

属人化の解消でつまずきやすいところ

  • 担当者が手放したがらない。 「自分の仕事がなくなる」と感じる人もいます。目的は、その人が休めるようにすることと、もっと難しい仕事に時間を使えるようにすることだと最初に伝えます。手順を書く作業はAIが引き受けるので、本人の手間が少ないことも伝えると進めやすくなります。
  • 全部の仕事を一度に片づけようとする。 洗い出しだけで終わります。止まると困る仕事から1つずつ進めます。
  • 作って終わりになる。 手順書が古くなると、後任はかえって迷います。直す人を決め、直した履歴が残る場所に置きます。
  • 見せてはいけない情報まで録る。 パスワードや個人情報が映る画面は、録る前に閉じておきます。録画の公開範囲も、必要な人だけに絞ります。

よくある質問

属人化の解消にAIを使うと、何が楽になりますか?

担当者が手順を文章にする手間と、経緯をまとめる手間が減ります。担当者は画面を録って話すだけで、AIが文字起こしから手順書の下書きを作ります。正しいかどうかは担当者が確かめます。

動画マニュアルだけでは足りませんか?

画面の操作を見せるには動画が向いています。ただ、条件によって対応が変わる作業や、作業中に必要な所だけ見返したいときは、文字の手順書のほうが使いやすくなります。文字起こしから手順書を作っておけば、AIもそれを読んで作業できます。

Proプランでも、録画からマニュアルを作れますか?

Proでは画面録画が月3本まで使えますが、文字起こしは付きません。録画を人が見て手順を書くことはできます。文字起こしからAIに手順書を書かせるなら、Focus以上が必要です(2026年10月時点)。

引き継ぎ資料には何を書けばよいですか?

手順に加えて、仕事の目的と終わりの条件、今の状態と進行中の案件、決めたことの理由、例外とトラブルのときの対応、資料のありかと関係者を書きます。後任が困るのは手順の外側であることが多いです。

録画やナレッジを、AIに読ませても大丈夫ですか?

Addnessでは、つないだAIが行う操作は、操作した本人の権限の範囲に限られます。録画は最初は非公開で、見られる人を自分で広げます。データの扱いはセキュリティにまとめています。

属人化を解消すると、何かデメリットはありますか?

最初に録る・直す手間がかかります。また、手順書を古いまま放っておくと、後任が古いやり方で動いてしまいます。止まると困る仕事から始め、直す人を決めておけば、手間は小さく抑えられます。

止まると困る仕事を1つ選んで、1本録る

まずは「その人が休むと止まる仕事」を1つ選び、作業をしながら理由を声で説明して、画面録画を1本撮ってください。Addnessを始める手順ははじめ方にあります。Addnessでできることと料金の全体はAddnessとはにまとめています。

チームで使い始めたい会社には、無料の導入支援があります。今の仕事の進め方を伺い、最初に残す仕事と、AIに任せる仕事を1つ決めるところまで一緒に進めます。申し込みは導入支援の相談フォームからどうぞ。

※この記事は2026年10月15日時点の情報です。Addnessは日々アップデートしているので、画面や手順が今と少し違うことがあります。

この記事を書いた人

アドネス株式会社 マーケティング 竹内翼

Addnessのマーケティング責任者。150人規模の会社で人事責任者も務めました。